中学生で浴衣を作る裁縫技術
「中学で浴衣、高校では襦袢や羽織を作ったわねぇ」
お裁縫の先生からそう伺い、私は言葉を失ってしまいました。
私が中学生時代、家庭科の授業で作ったものは、エプロン。
裁縫が得意でなかった私は、ミシンで何度も縫い直しながら提出までこぎつけたものの、いまいちな仕上がりで、エプロンとして一度も使いわず、…どっかいっちゃいましたね。
私が通っていた高校には、普通科と家政科があり、確かに家政科では、1年生で浴衣を作る授業がありました。
裁縫や料理が得意な家政科の友人たちですら「まだ終わらないの~」と居残りさせられながら、数カ月かけて浴衣を作っていました。
それを、中学で誰もが浴衣を作るとは…。学校によっても違うとは思いますが、信じられない世界です。
着物生地で、マスクを作りました
先日、マスクを手作りする市民講座へ、友人と参加しました。参加費200円と激安です。
私は手縫いがめっちゃくちゃ下手くそなうえに、
「縫いしろって分かる? …いいわ、 待ち針は打っておくから、ここを縫うのよ」
「ここは、返し縫い。できそう? …いいわ、こんな風に縫うの。同じように下も縫ってね」
と、見かねた先生に、かーなーり、手伝ってもらいました( ̄▽ ̄;)
それでも時間内に終わらず、持ち帰っての宿題となり、その後1週間たった今でも、まだ未完成です ( ̄▽ ̄;)
↑こちら↑がそのマスクです。かなり渋い柄ですよね。
「せんせー、これは、何の生地ですか?」
と、私が講座の先生にお聞きしたところ、
「着物の余り布です。皆さん、寄付してくださるの」
サラッとお答えが返ってきました。着物に針を通すなんて、これまで一度も体験したことがありません。着物をカットしちゃう上に、マスクにするだなんて…!
「お着物ですか… ( ̄▽ ̄;) 」
と恐縮していたところに、
「昔は、子どもの服でもなんでも、自分で作ったものよ。私の頃は、中学で浴衣、高校では襦袢や羽織を作ったわねぇ」
先生からは、冒頭のお言葉が返ってきたのです。
『エプロンの時代に生まれてよかったぁぁぁ…!』
と、情けない本音を心の中で叫んだのは言うまでもありません。
アイロン用具 仕上げ馬(うま)
こちらは、アイロン用具の「仕上げ馬(うま)」50年以上お使いになっている、先生の私物だそうです。「うま」という用語自体、初めて知りました。
マスクのカーブの部分や、袖などの仕上げに使うものだそうです。確かに、カーブのアイロンもスムーズにかけられました。
↑上の写真 ↑ は、友人の縫ったマスクです♪
ちなみに、私はアイロンも下手くそです。先日、新品のシャツにアイロンを直接かけたら、テロッテロになりました。ノンアイロン以外のシャツは、もう買わないと心に誓っています。
女のさしすせそ
ばあばと、昔の女性の裁縫技術の高さについて話をしていたら、「さしすせそ」について教えてもらいました。
「女のさしすせそ」
- さ 裁縫
- し 躾(子どものしつけ)
- す 炊事
- せ 洗濯
- そ 掃除
のことで、良妻賢母の条件とされたそうです。
うん。私には…、どれも無理難題ですね。
まず、かまどに火をおこすだけで1日が終わっていそうです。
洗濯機も掃除機もミシンもない中、どれだけの器用さと、タフさと、生活管理能力を求められていたのかと、昔の女性の生活技術力の高さに驚くばかりです。
とりあえず私は、未完成のマスクを仕上げたいと思います。せんせー、頑張るよ…!!
ではまた、次回。
レトロな世界でお会いしましょう!
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