現在も、各地に残されている古い井戸。
その中でも、歴史上名を遺す井戸の一つ、「櫻の井」を今回は取り上げたいと思います。
江戸の名水「櫻の井」
こちらは、江戸の名水「櫻の井」です。
加藤清正邸跡(都旧跡)で、清正が掘ったと伝えられ、 歌川(安藤)広重の「外櫻田弁慶櫻の井」にも描かれています。
また、安政7年(1860年)には、大老井伊直弼がこの井戸の脇から登城途中、暗殺されたという、歴史的な逸話も残っています。
そんな、江戸の時代の移り変わりとともに、人々の喉を潤してきた櫻の井は、2度移設され、現在は東京都の永田町、憲政記念館の公園内にあり、東京都指定旧跡とされています。
とはいえ、残っているのは移設された外側の石枠だけで、釣瓶(つるべ※)もなければ、懐かしさ溢れるような風情もありません。
※ 釣瓶(つるべ):深い井戸から水を汲み上げる際に使われる、綱を取り付けた桶などの容器、もしくは、引き上げるための釣瓶竿や滑車などの装置全体を表す言葉
この石碑がなければ、あまりに地味で素通りしてしまいそうです…。
残念ながら、井戸としては使えないそうですが、歴史をこよなく愛する方にとっては、一度見てみるのも面白いのではないでしょうか。
とはいえ、さすがに江戸の古井戸は「レトロで懐かしい」というより、古すぎでしたでしょうかね…。
ではまた、次回。
レトロな世界でお会いしましょう!
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