全国津々浦々、多数存在する「日本三大〇〇」
日本三景、日本三大祭り、日本三大名泉、三名城、三名園…
日本三大駅弁に引き続き、今回は「日本三大まんじゅう」です。さぁ、まいりましょう!
「日本三大まんじゅう」とは?
「日本三大まんじゅう」とは一体何なのか、早速ご紹介しましょう。
今回の『柏屋薄皮饅頭』もそうですが、志ほせ饅頭も、大手まんぢゅうも、濃いめのお茶との相性が最高なんですよねぇ。
あぁ、全部取り寄せて、食べ比べしたくなりますね!
株式会社 柏屋(かしわや)さんの『柏屋薄皮饅頭』
今回紹介するのは、「日本三大まんじゅう」のひとつ、福島県郡山市の株式会社 柏屋(かしわや)さんの看板商品『柏屋薄皮饅頭』です。
ネーミング通り、たしかに薄皮ですが、それ以外は、ぱっと見たところ普通です。
飾り気のない、何の変哲もない、おまんじゅうなんです。
ですが、一口食べると「私のために作ってくれたの?」 と思うくらい、もうね、誰が何と言おうと美味しい!!
それぐらいの大・大・大ファンです。
私は都内在住のため、緊急事態宣言中は引きこもっておりましたが、久しぶりに大型店舗へ買い物に出かけた際、秋の食卓フェア開催中でした。
「会えたぁ~!!!」
見つけた瞬間、かごに入れて、レジに猛ダッシュですよ。
つぶあんとこしあんがあり、私はつぶあん派です。
いつもは百貨店デパ地下の全国銘品コーナーにある、箱入りしか見たことがなかったのですが、こんなお手軽なパック商品もあったんですね。知らなかったです。
ありがとう、秋の食卓フェア!
「懐かしさ」を感じるおまんじゅう
こちらが、日本三大まんじゅう、『柏屋薄皮饅頭』つぶあんの、スマートパック5個入りです。
しっかりとしたプラスチック容器に入っています。
『柏屋薄皮饅頭』の賞味期限は、通常ですと製造日より8日間ですが、こちらの5個入りスマートパックは、15日間も日持ちするそうです。
リュックにぎゅっと詰めましたが、つぶれなかったです。便利ですね。
息子たちとのピクニックに持って行ったので、ファンシーな猫の紙皿で失礼します。
海外(ウクライナ)出身の友人パパも、「すごく美味しかった」と幸せそうな笑顔を見せてくれました♪
ワールドワイドに愛されるおまんじゅう。日本の伝統の味を喜んでもらえて嬉しいです!
こちらが断面図です。写真が上手く撮れずに残念でございます。すみません。
この『柏屋薄皮饅頭』、つぶあんがふわっと、本当にふっくらしていて、つぶの食感をしっかりと味わえます。
そして、甘さが上品です。甘すぎない。
素朴なこの味、個人的な感想ですが、ばあばが作ってくれる「ぼたもち」のあんに似ているんです。
小豆を茹でてつぶあんにする際、小豆を潰しすぎず、丁度いい加減に、小豆の風味を生かして潰すのです。
加えるのは、三温糖と少しの塩だけ。
ほかほかしたたっぷりのあんで包まれた、ばあば手作りのぼたもち。
手間ひまかかるうえに日持ちしないので、めったに食べられない、最高のおやつでした。
ばあばは、ばあばのばあばに作り方を教わったそうです。
そんな、身内の手作りに近い市販品なんて、なかなか出会えません。
人は慣れ親しんだ味に愛着を持つので、買った和菓子は美味しいですが、私にはどれも甘すぎると感じます。
ただ、この柏屋さんの『柏屋薄皮饅頭』だけは、ばあばが作ったような手作りのあんの味が再現されていて、絶妙なんです。
ふるさとでもない福島で作られた和菓子に、なぜこうも「昔懐かしさ」を感じるのか不思議ですが、それはきっと、食べる人や、素材を大切するまごころが共通しているから…なんじゃないかと思っています。
映画『あん』(河瀨直美さん監督、樹木希林さん最後の主演作)のように、「小豆の言葉」を聞きながら、守りぬいている技なのかなと、勝手に想像しています。
涙がこぼれた、朝茶会と手づくり体験
『柏屋薄皮饅頭』を製造する柏屋さんはですね、私の中で、「未来に残したい和菓子屋さん」ナンバーワンです。
「歴史と伝統があるから」、「商品の和菓子が美味しいから」、「福島を応援したいから」…
そういった理由もさることながら、和菓子でどうしたら人々が幸福になるかを考えて行動し続けるその姿勢を、応援したいからです。
こんな和菓子屋さんが、日本にあることに感謝したくなります。
そのことを象徴する取り組みが、「朝茶会」と「手づくり体験」です。これまでの歴史やこだわり、他にも紹介したいのですが、こちら2つに絞りました。
残念ながら、現在はどちらとも新型コロナウィルスの影響により中止されおり、今後の再開については、どうなるか分からない状況とのことです。
それでも、老舗の和菓子屋さんがするとは考えられない、あたたかな心意気を感じさせてくれた取り組みでしたので、ご紹介させていただきたいと思います。
薄皮茶屋の朝茶会
参加費用は誰でも無料。和菓子と会話を楽しめる場をご提供されていました。
老舗和菓子屋さんが、看板商品の『柏屋薄皮饅頭』に加えて季節の和菓子も、お茶も、場所も提供して、タダって…。
和サンタクロースさんなのではないかと思います。
東日本大震災をきっかけに始めたお茶会ではなく、昭和49年から続けてこられていた、地元に甘く優しい灯をともす活動です。(※現在は中止です)
『薄皮饅頭手づくり体験』
こちらは、『柏屋薄皮饅頭』を1人4個作って持ち帰ることができた、手作り教室です。
100年以上続く老舗和菓子の看板メニューを、子どもも大人も、気軽に手作り体験させてくれるところって、他にあるのでしょうか?
しかも、そのお値段に驚きます。
小学生以下:110円(税込) 大人:550円(税込)
110円って…。原価をはるかに超えてます。4個も作らせてもらえて、職人さんが直接教えてくれるんですよ?
私は数年前、この粋すぎる両取り組みをテレビ番組で拝見して、涙が出ました。
そして次の日、西武池袋本店へ出向いて『柏屋薄皮饅頭』を買って食べ、その味に惚れこんでからは、ずっと大ファンです。
和菓子とお茶って、子どもから高齢の方まで、食べた瞬間ほわっと笑顔になる魔法がかかります。
心を常に穏やかな状態にしておくことは難しいですが、『柏屋薄皮饅頭』は私にとって、いとも簡単に、あるべき場所へ心を戻してくれる、スペシャルアイテムなんです。
嘉永5年(1852年)創業、170年近い歴史を誇る、福島県郡山市の柏屋さん。
私が未来に残したいと心から願う和菓子屋さんであり、私がおばあちゃんになっても食べたいおまんじゅうを、今日も丁寧に作っていらっしゃいます。
ではまた。
懐かしい味に出会えましたら、ご報告します。
コメント