「レトロなブログ」初回で取り上げるのは、黒電話です。
きましたね。きましたよ、くろでん。
The☆レトロの代表選手、黒電話
突然ですが質問です。
「黒電話」について、あなたは次の①~④どれに当てはまりますか?
① それまでなかった黒電話が家に来て、初めて使ったときのことを覚えている。
② 小さい頃から家にあって、よく使っていた
③ テレビや写真で見たことはあるが、実際使ったことはない
④ 初めて見た。使い方はさっぱり分からない
これで、ある程度あなたの年代が分かりますね。
ばあばは①で、黒電話が家に設置される前は、赤(もしくは下の写真のようなピンク)電話のある近所のお宅まで出向いて、10円玉を入れて電話を使っていたそうです。
ちなみに私は②です。黒電話の他に、若草色の有線電話もありました。懐かしいです。
黒電話の使い方
黒電話の電話のかけ方をお伝えします。
もちろん当時、スマホの電話張なんてなく、まずはタウンページや、手書きのマイ電話張をぱらぱらとめくって、相手の電話番号を探します。
我が家では、よくかけるお宅の電話一覧メモが、黒電話近くの壁にテープで張ってありました(笑)
受話器を上げて、受話器を耳にあて、ツーという音(発信音)を確かめてからダイヤルをまわします。
ダイヤルは、 𢌞轉盤、回転盤などとも呼ぶそうですが、ここではダイヤルとします。
さぁ、電話をかけてみましょう。
例えば、相手の番号が
03-1234-5678
でしたら、同じ市外局番なら、03は不要です。
まず、1の数字の書いてある丸い穴に指をかけてダイヤルを回し、ストッパー(指止め)まできたら指を放します。
『ジィ~』
と音を立てながら回転し、自動的に元に戻ります。
次に、2の穴に指をかけてダイヤルを回して指を放す。
これを繰り返して最後の8までいったら、何もせずとも電話が相手に繋がり、
『ジリリリリ~!』
と、相手の黒電話がけたたましく鳴り響きます。
黒電話の思い出
『あの人の番号は、指で覚えているよ』
なんていう人も、いらっしゃるのではないでしょうか。ダイヤルならではの感触ってありますよね。
黒電話からお友達に電話をかけると、たいていその子のご両親が最初に出るので、ドキドキしたのを覚えています。
ちなみに、一般家庭の黒電話には保留とか転送の機能はないです。
ちょっと手を離したいときは、受話器を戻せないので、台に置いていました。
家中の声を拾うし、つながりっぱなしです。
通話時間も履歴も表示されません。見ての通り、ダイヤルしかないですからね。
切りたいときは、受話器をもとにあった場所に戻すと
『ちーん♪』
と音が鳴って、通話が切れます。
ウィキペディア(Wikipedia)によると、1952年(昭和27年)以降に日本電信電話公社(現在のNTT)によって制式化され 、1980年ごろまで一般家庭で用いられていたようです。
そして1980~90年代、この黒電話から、プッシュ式の電話に代わっていきました。
↓プッシュ式の電話、こういうやつですね。
新しい電話機の登場で、1つ番号をかけるたびに、ダイヤルがくるくる~っと巻き戻るのを待たねばならない手間から、日本人はついに解放されました!
我が家の黒電話が廃棄され、プッシュ式の電話に切り替わった時は嬉しかったですね。
特に、コードレス子機の存在に驚きました。
「うわぁ、線がなくても電話できるの? すご~い」
なんて、大はしゃぎです。
固定電話のない家庭が増えた今の子どもには、『子機』という単語すら死語なのかもしれませんが…。
黒電話とともに失われた「自由」
「便利になったねぇ~♪」
当時の私は、単純にそう思っていました。 留守電も残せるし、履歴も出せる、保留音も好きなものを選べて受話器も軽い!
しかし、電話が切り替わったことで、逆に電話がかけられなくなってしまう事態が、身近で引き起こっていました。
電話できなくなった人は、おばば。私の曽祖母の話です。
おばばは、電話がプッシュ式になり、黒電話では必要なかった、「発信ボタンを押す」ということが理解できなかったそうです。
たった、ひとつ。ピッと、ボタンを押すだけ。
その時80歳を過ぎていたおばば。何度やり方を説明しても、忘れてしまったのだそうです。
「発信ボタンを押す」 機能によって、自分の好きな時に、自由に電話をかけるというおばばの楽しみは、強制的に奪われました。
「A子に電話をかけてくれない?」
電話をかけようと思う度に、誰かにわざわざ頼まなければならず、いつも電話していた日中は、家におばば一人。
おばばの足腰は弱くなっており、一人では外に出るのが難しい状態でした。
電話は、唯一の楽しみ。
その電話すら思うようにできなくなった、おばばの認知症は、どんどんと進んでいったそうです。
その当時、私はおばばと別に暮らしていたので、たまにしか会う機会はなくなっていました。元気だったおばばが、寝たきりになり、次会ったときには、話すらままならなくなっていました。
高齢の方が慣れ親しんだ生活を、ほんの少し変化させることが、これほどにインパクトがあることなのかと、思い知らされるエピソードです。
便利さが、これまでの幸せや自由を無意識のうちに奪っていないか…。
だいぶ考えさせられます。
黒電話、実は現役でした
「黒電話かぁ、懐かしいなぁ」
そう思われた方に、朗報ですよ。
なんと今でも、黒電話は繋がるそうです!
いやぁ、バリバリの現役選手とは驚きです。
「黒電話は使えなくなる」などという噂もあったようですが、これはデマです。
ばあばはそれを聞いて切り替えたそうですが、多機能電話を販売するためのセールストークだったようです。
もう、黒電話なんて捨てちゃったしな…なんて方も、安心してください。買えます。
ヤフオクなどのオークションサイトでも売っています。
ただ、中古であれば通電するかなど、しっかりと確認した上で購入してくださいね。
また、くろでんにすると、”#” や”*” が使えません。見ての通り、番号しかないですから、宅配便の再配達で「”#” を押してください」に応えられません (´;ω;`)
それでもいいと、 くろでん愛が沸き起こってしまったあなた。
つい、衝動的にポチッてしまったあなた。
本気でご利用を希望されるのでしたら、各NTTさんなど、契約している電話会社さんに前もってお問い合わせすることを強くお勧めします。
電流の違いで、対応できるサービスが異なるそうです。
そして、あなたのそのスマホから電話をかけ、記憶の中で薄らいでしまっていた、脳天に響くベル音のけたたましさを、ぜひ感じてください。
ではまた、次回。
レトロな世界でお会いしましょう!
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