本日の「たいへん深い」部分月食、ご覧になりましたか?
ありがたいことに、私は、息子、ばあば、友人たちと同じ月を見ることができました。
最高の天体ショーを楽しめたことに、心から感謝します。
「月蝕」は不吉な出来事の前兆?
古代の日本人は、月食を「月蝕」と表現し、不吉なこと、良からぬことが起こる兆しと考えていたようです。
月食を見ないようにしたり、お経を唱えたりしていたそうです。
平安末期の歌僧・西行法師の歌集『山家集』には、
『いむといひて 影にあたらぬ今宵しも われて月みる 名や立ちぬらむ』
という和歌が詠まれています。
(月蝕は忌々しいものだと言って、世間の人たちは月の光を見ようともしないけれど、私は見ようと思う。悪評が立たないといいんだけど…)
といった意味のようです。
当時、相当な覚悟がないと、見られない程のものだったことがうかがえます。
今は、街の明かりが途絶えることなく、東京の空は真夜中でも薄ぼんやりしています。
一方、街灯もなく、ろうそくなどの光しかなかった時代に、闇夜を照らす月は、さぞ美しく輝いていたことでしょう。
その月が、突然現れた黒い影に蝕(むしば)まれていき、皆既日食であればその間、全くの暗闇に包まれてしまったのですから、昔の人にとって恐ろしい現象であったと想像できます。
月食の最大食分は0.978
本日の夕方、息子を自転車の後ろに乗せて帰宅途中、ふと見ると、ビルの合間から欠けた月が現れました。
一線の月光と、赤みを帯びた影が月全体にかかって見えました。
その月があまりに美しくて、私は思わず、ばあばや友人たちに連絡を取りまくってしまいました。
「月食!! 綺麗だよ、見て~!」
連絡した皆が「私も今見てるよ~(^_^)」の返答。嬉しすぎて感動しましたね。
我が家の西向きベランダからは、月を見ることができないので、自宅近くのお店のテラスで月食を楽しむことにしました。
テラスは「ペット連れ優先席」だそうで、ペット連れの方が来店した場合、席を移動する条件で通していただけました。
月食の途中で店内に移動かなぁ…と思いきや、
寒いからか、誰も来ず。
テラスはずっと貸し切り状態でした。
息子とごはんを食べながら、ほぼ皆既日食になった状態から徐々に満ちていく月の天体ショーを眺めます。
「流れ星じゃないけど、お願い事をしたらいいよ!」
と、息子は言いました。(息子のお願い事は秘密だそうです)
徐々に変化する月と、美味しいごはん。
隣で「わぁ、もうすぐ満月だね~!」と喜び踊る息子。
自然が織りなす美しい瞬間を見ながら、誰かと一緒に「素敵だね」「綺麗だね」と言い合えるのは、何にも代えがたく、ありがたいことだなぁと思います。
離れていても、ばあばや親しい友人たちも、同じ月を見ているのかと思うと、嬉しくなりますね。
本当に、幸せな時間を過ごすことができました。
今回のような、限りなく皆既に近い部分月食が日本全国で見られたのは、140年ぶりのことだそうです。
食の最大は0.978だったそうで、私の肉眼では月が消えたかに見えました。
ほぼ皆既の部分月食、あなたは楽しめましたか?
月食の起こるしくみ
帰宅すると、てっちゃん息子は辞書を開いて月食について調べ、「月食の仕組み」を図解化しました。
『月食は、地球の影で 月が 見えなくなること。(中略)140年ぶりの月食。ぼくは 月2個 あるのかと 思いました』
月が一旦消えて、再び現れたため、息子は月が2個出現したと思ったようです。
参考:【国立天文台(NAOJ)】月食の起こるしくみ
今宵は月が綺麗ですね
なにかと忙しい毎日ですが、時には月をゆったり楽しむのも良いですね。
月食もそうですが、流星群やスーパームーンなど、昔と違って、時間も位置も天気もネットで簡単に調べられます。
天体の偶然が奇跡を生み出す特別な夜は、大切な人と夜空を見上げたいものです。
ではまた、次回。
レトロな世界でお会いしましょう!
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