七草がゆで知られる「春の七草」の他に、「秋の七草」があると知り、忘れそうなので書いていきたいと思います。
「秋の七草」のはじまり
秋の七草は、日本最古の歌集『万葉集』におさめられている、山上 憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ2首の歌が始まりだそうです。
「秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」
大宰府市の落合公園や、奈良市の春日大社参道には、この歌の歌碑もあるそうですよ。
風流ですねぇ。秋の花々を見ても、
「キレイだぁ~。あれ、実ついてるけど、これって食べられるのかな?」
私は歌を詠むなんて、思いつきもしません…。
『万葉集』で詠まれた「秋の七草」とは?
奈良時代の歌人である、山上 憶良 殿は、
「秋の野に咲いている草花を、指折り数えると七種類の花があります」
と、1つ目の歌で詠んでいます。
しかしながら、2つ目の歌が理解不能ですね。
その7種類の草花が何なのか、イミフ(意味不明)でございます。
「それは、萩の花、尾花、葛(くず)の花、撫子(なでしこ)の花、女郎花(おみなえし)、また藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花です」
私にはどんな草花か、聞いたことがあるものはあっても、名前と花が一致しません( ̄□ ̄;)
唯一、アサガオなら分かります。小学生の時育てましたからね!
…と思いましたら、この「朝貌」については、現在では桔梗(ききょう)が定説なのだそうです。
かろうじて、桔梗だけはパっと思い浮かびます。
…1つだけ。情けないです…( ̄□ ̄;)
「秋の七草」
【1】萩(はぎ)…あ、そういえば、和菓子の「おはぎ」の由来ですね! なるほど!
【2】尾花(おばな)…ススキのことだそうです。お月見にも使われますし、秋の花としては外せないですね。
【3】葛(くず)…根っこを粉にした葛餅、くず湯、大好きです。花は乾燥させると二日酔いの薬になるそうですよ。
【4】撫子(なでしこ)…なでしこジャパン! 日本女性に例えられる可憐なお花です。
【5】女郎花(おみなえし)…小さな黄色い花が集まってミモザのようですが、枝まで黄色です。これは可愛い♪
【6】藤袴(ふじばかま)…古代から親しまれてきたお花ですが、現在は絶滅危惧種らしいです。茎葉は桜餅の葉の香りがするのだとか。ぜひとも嗅ぎに行かねばなりません。
【7】桔梗(ききょう)…私は桔梗の色と、つぼみのぷくっとした形が好きです。子どもの頃は、つぼみを片っ端から潰すのが好きでした。…ごめんなさい!
※すべてのお花の画像を入手できず申し訳ございません。見つけ次第アップします(;´∀`)
『七』の意味するところ
秋にはこんなお花がキレイですね、という解釈の他に、この歌にはより深い意味が込められているそうです。
『七』という数は、仏教経典に登場する「七宝」(具体的に何をさす指すかは、経典によって異なりますが、金・銀・瑠璃・真珠などの高価な宝)を意識してるという説があります。
その『七』という数字を引き合いに出すことで、極楽浄土の荘厳さを表す、金や銀といった七宝よりも、今ここに咲き誇り散っていく、身近な七草に目を向けるよう、説いていると。
儚い命を、いとおしむ心にこそ焦点を当てようとする、作者の「幸せに対する考え方」を感じられるというのです。
なるほど…。深いですね。
『七』の意味するところは、ラッキーセブンでも、神セブンでもございませんでした…(꒪ꇴ꒪〣)
秋セブン女子学園(仮)
確かに、秋の七草は、その選び方が独特な気がします。
秋を象徴する華やかな花ばかりではないんですよね。
例えば、葛(くず)の花。正直、花としては素朴な印象です。
花そのものの美しさより、生薬や食品としての実用性が重んじられてきたのではないかと思います。
きっと、秋セブンにはドラマがあったはずです。
身を粉にして働く苦学生の葛さんは、 山上憶良学園長からの突然の推薦により、秋セブン女子学園(仮)へ入学します。
そして、入学初日。
美しい容姿の生徒会長・撫子(なでしこ)さんに呼び出されて、
「ススキさんは地味でいらっしゃるけど、まぁ、秋代表選手だから仕方ないとして…。葛さん、なぜあなたが秋セブンに入るのかしら? あなたには、葛餅がお似合いだわ!」
なんて、いじめられてそうじゃないですか。
あくまで私の妄想です。 撫子さん、葛さん、本当にすみません。
秋の七草を見て愛でる
春の七草は、食べることで無病息災を祈るものですが、秋の七草は、その美しさを鑑賞して楽しむものだそうです。
ちなみに、東京都墨田区の向島百花園では、秋の七草コーナーがありますので、見比べることもできますね。
他にも、国分寺の殿ヶ谷戸庭園では「萩(はぎ)のトンネル」が楽しめるなど、各地の公園や植物園で、秋の七草を楽しむイベントが開催されているようです。
コロナ対策により、予約が必要な場合がありますので、事前にHPを確認することをお勧めします。
全くの余談ですが、学生の頃『万葉集』を習ったとき、『山上 憶良(やまのうえのおくら)』と聞いて、
って、思いましたよね? 思いましたよね?
山の上の方に生えてる、オクラかなって。
え、私だけ? 私だけですか~??
…教養のなさが露呈しただけの回でしたね。
ではまた、次回。
レトロな世界でお会いしましょう!
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