実りの秋。食欲の秋。新米の炊き立てごはんって、最高ですよねぇ♪
日本の主食・お米談義【その1】、早速始めたいと思います。
白いご飯のマイルール ばあばの場合
白ごはんにまつわる逸話は、各家庭に残っているかもしれませんね。
戦時中、命懸けで戦地へ向かう軍人さんへは、自分たちの分がなくなろうと、とにかく白飯をお腹いっぱいに食べさせて見送ったというのは、よく聞く話です。
ばあばが嫁いだ先で、お姑さんに教わったことの中には、
「ごはんは、2回以上に分けてよそいなさい」
というルールがあったそうです。食べ物を大切に扱うことへの現れだと思われます。
また、女性は男性を立て、必ず男性(一番は家長)から先にごはんをよそうことが当たり前とされていました。
白いご飯のマイルール まちの場合
私自身が習ったマイルールで、
「朝一番にごはんが炊けても、すぐ混ぜないんだよ」
と言われたことが、記憶に残っています。
信心深かった曾祖母。炊き上がったごはんは、真っ先に仏様にお供えすべきと諭したのです。
仏様へのごはんをよそってから、釜全体のごはんを混ぜるという順番でしたね。
ツヤツヤに光り立つ白米のうわべを、おしゃもじでそっとすくって、下の写真のような仏飯器(ごはんをお供えする仏具)にこんもりと盛り、お仏壇へ飾るのが、小さな私の役目でした。
宗派にもよると思いますが、仏壇にお供えするごはんを、一般的には「仏飯(ぶっぱん)」もしくは「飲食(おんじき)」と呼ぶそうです。
お恥ずかしながら、私は今日調べてみて、その名称を初めて知りました。
なぜなら、おばば(曾祖母)は仏飯のことを「なんなんちゃん」と呼んでいたからです。
どなたか、ご友人のお名前ですか?
と聞きたくなる、フレンドリーなネーミングすが、福井の方言で仏様のことです。
仏様を、ちゃん付け!!
語源は「南無」からきてるそうで、「なんなんさん」「なんなさん」「のんのさん」とも言うそうです。
当たり前すぎて何とも思っていませんでしたが、「南無」から「なんなんちゃん」になって、それを仏様にお供えするごはんにまで転用するって、いくらなんでも、やりすぎじゃないですかね…。
とはいえ、仏様はご寛大でしょうから、「さん」でも「ちゃん」でも、良しとしてくださるでしょう。
「なんなんちゃん」って、なんだか可愛いですしね☆
なんなんちゃんをどうするか問題
時間が経って、カチカチになった仏飯(なんなんちゃん)をどうするか。
これは由々しき問題です。
幼い頃、朝お供えしてた仏飯は、仏壇の中でずっと置きっぱなしにされ、夕飯前に下げていました。
もうね、冷えて完全に固くなっているんです。
お線香のにおいもするし、全然、美味しくなかったですね…。
おばば(曾祖母)や祖母は、炊いたごはんがそばにあっても、カチカチのごはんをお茶漬け等にしていました。
食べられない時代を経験しているからこそ、
「粗末にしてはバチが当たる」「もったいない!」
そう言って食べていたことを覚えています。
え、ばあばはどうなのかって?
ばあばは現在、朝炊けたごはんを仏様にお供えしたら、
「ちーん。南無南無、ありがとさーん」
したら即刻下げ、温かい状態で食べています。実益主義です(笑)
仏様は湯気を召し上がるそうなので、これもアリだと思われます。
今日は新米で栗ごはんとか、いいですね!
ではまた、次回。
レトロな世界でお会いしましょう!
コメント